川崎市幼稚園協会
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社団法人 川崎市幼稚園協会会長 井上  久

 認定こども園、預かり保育の長期、長時間化、2歳児受け入れ等の保育施設化など一歩間違うと安易に親から子育ての機会を奪ってしまいそうな、幼稚園に対するこういった施策に、大変心配をし不満を持っています。子育て支援は子育てが親の責任において行われるものという大前提の下にあるべきですが、上記施策により第一義的な責任は親にあるという事さえ忘れさせられようとしています。また、今「いじめ」「自殺」が大きな社会問題となっています。相互の因果 関係は慎重な精査が必要だと思いますが、マスコミ等により、大変だ、大変だと大騒ぎされるだけでなかなか根本的な解決策が見いだされていないように思います。いじめは乳幼児期に於ける教育、そして家庭での親子関係、親子の絆と大きく関係しているのではないでしょうか。一方で大人の世界に「いじめ」が存在することを考えると、特に幼児期の「いじめ」は大人になるための貴重な経験であるとも言えます。子どもを取り巻く環境がこの様に大きく変化をしている現況では私たちの幼稚園教育に於いて、より社会性を培い、生きるための基本となるような力や強さを養って行くことが重要であり、またそういった共通 認識により国家的な施策も行われるべきであると強く思っています。今、公益法人の制度改革に言われている公共性の問題、教員免許の更新制度、自己、外部評価に耐えうる研修体制作り等、中、長期的な対応が求められる中、国の政策の基本であるべき、人間形成の基礎作りという幼稚園本来の教育内容を更に充実させ、発展させる為に川崎市幼稚園協会は常に努力を重ねています。特に、その研究、研修活動は幼稚園教育の振興という大きな目的を達成するための最大の手段として、長期に亘り協会の全力を挙げて行われているものです。
 今年度もその成果をこのように残すことが出来ます事を本当にうれしく思っています。世の中の変化を注視しつつ地道な活動に尽力された研修部長をはじめとする部員の皆様、あたたかいご指導を戴きました講師の先生方に改めて感謝を申し上げます。この紀要が単なる記録としてだけでなく、10年後、20年後の日本を左右する重要な提言書であることを申し添えて発刊の言葉と致します。