川崎市幼稚園協会
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社団法人 川崎市幼稚園協会会長 井上  久

 文部科学省は現在新幼稚園教育要領の検討作業を進めています。その改訂案では、幼小の円滑な接続を図るために規範意識や思考力の芽生えなどに関する記述を充実させ、預かり保育や子育て支援についての具体的な留意事項を示しています。また、家庭との連続性を確保するために、保護者が幼児教育への理解を深められるような活動の充実にも触れています。特に預かり保育については、第1章(総則)、第2章(ねらい及び内容)、と同レベルで第3章(指導計画及び教育課程に係る教育時間終了後等に行う教育活動などの留意事項)として記述され、その中でかなりのスペースが割かれています。預かり保育は一部の保護者のニーズに応える形で行っている幼稚園も多く、ある意味では課外教室の一つであるといっても過言ではないと思うのですが、教育課程に係る教育時間終了後等、とは言っているものの、新教育要領の大きな要素としてこれ程大きく取り扱う必要があるのか、という思いがあります。しかし全国の幼稚園での実施率が70%を超え、社会的にも定着してきた現状では、少なくとも現在預かり保育を実施している幼稚園の皆さんはしっかりと確認をしておく必要があります。また、子育て支援については、相談に応じるほか、情報提供、保護者との登園の受け入れ、保護者同士の交流機会の提供の例示など、活動の充実を求めていますが、それは従来ほとんどの幼稚園が行ってきた保護者に対する活動であり、本来の幼稚園教育がそもそも最も有効な子育て支援策であるという事の証にもなっているのではないでしょうか。
 さて、教育要領の改訂、学校評価制度の導入、教員免許制度改革、そして特に子育て支援と称する保育の長時間化等、幼児教育、幼稚園教育を取り巻く様々な状況が急速に変わろうとしています。しかし、時代の変化に即した対応ももちろん必要ですが、子どもの育ちを真剣に思い、子どもの視線に立った教育のあり方を思えば思うほど、私たちはもう少し慎重に、一番大切な「心を育てる教育」を考えていかなければならないのではないでしょうか。
 川崎市幼稚園協会の研修活動は研修部役員が中心となり正に協会の目的である幼稚園教育振興活動の最重点施策として行われています。内容はもちろんのことですが、運営担当者、参加者、指導者の皆さん全てが使命感に燃え、また、加盟各園設置者の温かいご理解により常に積極的に参加を戴いております。この平成19年度研究紀要には当協会がこの一年間に行った研究、研修活動の全てが記録されています。そしてその成果 は単に記録として残されるだけのものではなく、日々の教育活動において十分に活用され、教職員の皆さんの大切な栄養源となっています。最後に研修活動にご協力をいただいた全ての皆様、そして幼稚園教育に常にご理解を戴き、ご支援をいただいている皆様に心から感謝を申し上げ発刊の挨拶とさせていただきます。 。